胃カメラ初心者のための 内視鏡検査講座

胃カメラ検査の経験がない方にとってはじめての胃カメラは不安でいっぱいかもしれません。
前日から当日までの注意ポイントや検査で行われることを把握しておき、胃カメラ検査をスムーズに終了させましょう。

こちらでは、胃カメラ初心者の方に知っておいていただきたい内視鏡検査の流れ・ポイントについてお話します。

前日夜・当日

胃カメラ検査では可能な限りを胃の中に何も入っていない状態にする必要があります。
検査前日の夜は遅くとも20時ごろまでに夕食をすませてください。
また、いつもより少なめの食事量を意識しましょう。夕食以降は検査終了まで絶食を行います。
水・お茶・スポーツドリンクは飲んでも構いませんが、牛乳や野菜ジュースなどは好ましくありません。

検査前の準備

検査当日、実際に検査を行う前にはいくつかの準備があります。

一般的には、「消泡剤」という液体を飲み、胃内の粘液の泡を破裂させて排出される措置が行われます。
通常、胃の中には泡がこもっていますが、この泡は内視鏡による視認性を低下させる要因です。この問題を解消するために、消泡剤が使用されます。

内視鏡を口から挿入する場合は、痛みを軽減するための局所麻酔薬を使用します。
麻酔を口に含み、のどにためた状態で麻酔が効くまで維持しましょう。その後は、指示に従い飲みます

鼻から内視鏡を挿入する場合、スムーズに鼻孔を通過させるための鼻腔の粘膜の浮腫みをとる薬が使用されます。

検査

検査室に入り、楽な服装になって頂きます。
身体を締め付けるものを着用している場合、可能な限り外すようにしましょう。ベルトや眼鏡なども外してください。
部分入れ歯は外していただきますが、総入れ歯はグラグラしていなければ、特に外さなくても結構です。

準備が整ったら検査台に横たわりますが、この際は左側を下にします。
口から内視鏡を挿入する場合は、この段階でマウスピースを装着します。
この後、実際に内視鏡を挿入していきますが、経口と経鼻でそれぞれ以下のようなポイントを意識しておくとスムーズです。

経口内視鏡は無理に飲み込もうと意識すると苦しくなります。
肩・首、そしてのどのリラックスを心がけてください。
内視鏡がのどを通過するのを感じたら、静かな深呼吸を意識しましょう。また、この間は唾液を飲み込まず、ゲップも控えるようにしてください。

経鼻内視鏡も、肩・首・のどの力を抜くのがポイントです。
口が開放されているため口呼吸が可能ですが、過度に緊張せず、荒い呼吸にならないように注意してください。
静かな腹式呼吸を維持できると理想的です。

どちらの検査も5~10分程度で終了します。

検査後

静脈麻酔(鎮静剤)を使用している場合、効き目が落ち着くまで約1時間院内で休憩をして頂きます。

検査結果については検査後に診察室で説明があります。
細胞の精密検査(生検)を行った場合は約2週間後の外来でそちらの結果を説明します。
検査後1時間程度経過すると飲食は可能です。検査時に胃内部の組織を採取していた場合は、飲酒を1日控える必要があります。

監修医紹介

加藤 貴志 院長(かとう たかし/Takashi Kato)

咳(せき)の検査・診断 担当医 加藤 貴志 院長 (かとう たかし/Takashi Kato)

経歴

1998年自治医科大学卒業
2007年東北大学大学院医学博士課程修了、東北大学病院移植・再建・内視鏡外科 他
2016年〜現職

備考

医学博士 日本外科学会専門医 日本消化器外科学会 日本内視鏡外科学会 日本臨床外科学会 日本再生医療学会 日本抗加齢医学会 総合診療認定医