消化器内科:C型肝炎

C型肝炎とは

C型肝炎はウィルス性肝炎のひとつであり、C型肝炎ウィルスに感染することが原因で発症します。 慢性肝炎全体の70%を占め、肝硬変ないし肝癌(肝細胞癌)の原因の80%を占めています。

C型肝炎の原因

C型肝炎はRNAウィルスで、感染経路は、輸血、入れ墨などの血液感染です。
現在、輸血後肝炎の新たな発生はほとんどなく、また、性交渉や母子感染の可能性は低いと言われています。
呼吸や唾液、皮膚の接触などでの感染の心配はありません。

C型肝炎の症状

C型肝炎の潜伏期間は2~14週間と考えられています。C型肝炎ウィルスに感染すると、30%はウィルスを排除して自然治癒しますが、70%は慢性化します。
知らず知らずのうちに徐々に進行し肝硬変の初期であっても気が付かないということも多々あります。 そのため、健康診断や献血、他の病気治療の検査で感染が見つかるといったケースが多いようです。

肝硬変が進行すると、食欲不振や全身の倦怠感、足のむくみ、濃い色の尿が出るなどの症状が出始め、黄疸が認められるようになります。

C型肝炎の検査

当院では採血による血液検査を行い、C型肝炎抗体の状態をチェックします。
C型肝炎に感染、または以前C型肝炎に感染された場合は陽性になります。
そのため、C型肝炎抗体が陽性であっても過去に治療されているケースもあり、 それだけでは正確な判断ができかねますのでC型肝炎ウイルスの遺伝子検査、肝機能検査、線維化進行などの確認も行い、総合的に判断させていただきます。

C型肝炎の治療

C型肝炎ウイルスを排除するには、インターフェロン療法を行います。 ウィルスの遺伝子型と体内のウィルスの量により、ペグインターフェロンとリバビリン、シメプレビルを用いる三剤併用療法が行なわれています。
週1回~3回程度を行いますが、副作用として発熱、倦怠感、関節痛、食欲不振等が起きる場合があります。

C型肝炎から、肝硬変や肝がんへ進行するケースもございますので、慢性肝炎の状態でしっかりとした治療をすることがとても重要となります。

押さえておきたいC型肝炎のポイント

現状、C型肝炎ウイルスに有効なワクチンが残念ながらありませんので、予防にはウィルス感染した方の血液が体内に入らないよう注意する必要があります。